
婦人科看護師きくとまです。
新型コロナウイルスが流行し、胃がん、大腸がん検診等を受ける方が減少していました。婦人科でも子宮頸がん検診を控えていた方が多かったように感じます。しかし、コロナウイルスとの共存、少し終息してきたおかげで、徐々に検診率が上がっているようです。
さて今回は、子宮頸がん検診で「要精密検査」の通知が来て、ASC-USの検査結果だった場合、子宮頸がんのウイルスであるHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染しているかどうかを確認しなければなりません。感染していたら、定期的な検査が必要となります。
子宮頸がん検診の結果を確認

子宮頸がん検診を受けられた方には、このような用紙が送られてくると思います。結果欄にチェックが入って送られてくる、もしくは、検査をした病院にて確認をしましょう。
HPVが陽性なのかを確認する
ASC-US欄にチェックが入っていた場合は、再検査を受けましょう。まずはHPV検査を行います。HPVとはヒトパピローマウイルスのことです。このウイルスが子宮の頸部にいるのかを確認します。
陽性ならば、どのタイプが陽性なのかを確認します 。タイプによって子宮がんを発症するリスクが高いのかを判定するためです。

これは、HPV陰性という結果です。この場合、1年ごとの検診を行うことになります。

この検査結果は陽性項目があります。この場合、さらに詳しい「子宮頸部組織診」を行うこともあります。 その後は、引き続き3~6ヶ月ごとの細胞診検査をすることとなります。

この検査結果は若い方に多いHPV型(16・18型)が陽性でした。この方もさらに詳しい検査を行うこととなります。

この検査結果は高齢浸潤癌になりやすいタイプ(31・33・35・45・52・58)のHPV型の2項目が陽性です。この場合も、さらに「子宮頸部組織診」を行います。その後は、医師からの3~6ヶ月ごとの細胞診検査を受けるように指示されることとなりますので、しっかり検査をしていきましょう。
検査結果の評価の仕方
検査結果をみて、どのように考えればいいのか、具体的にあげてみます。
① 細胞診:異常なし HPV(-)
子宮がんの可能性は非常に低いばかりか、すぐにがんになる可能性は低く、毎年両方の検査をすれば、2年後の検査でよいでしょう。しかし、パートナーが変わった場合、がん検診は受けた方が望ましいでしょう。
② 細胞診:異常なし HPV(+)
現時点ではがんの可能性は低いのですが、原因のウィルスがいるので、毎年、子宮がん検診を受けましょう。 16・18・31・33・35・45・52・58型が陽性であらば、3~6ヶ月ごとの細胞診を行うことになります。2回連続細胞診が陰性であれば通常検診をしてください(主治医からの検診の指示に従ってください)。 HPVを治療する必要もありませんし、治療薬もありません。
16・18・31・33・35・45・52・58型 以外のHPV陽性またはHPV陰性の場合、12ヶ月ごとの細胞診検査を受けてください。
③ 細胞診:ASC-US(異型上皮の疑い) HPV(-)
異型上皮の可能性は低く、年1回のがん検診でOKです。
④ 細胞診:ASC-US(異型上皮の疑い) HPV(+)
異型上皮の可能性が高く精密検査が必要です。引き続き細胞診の定期的な検査を行い、医師が必要とした場合は、コルポスコピーや組織診の検査を受けましょう。
⑤ 細胞診:異常あり HPV(-)
細胞診:異常あり HPV(+)
いずれも、細胞診に異常がある場合は癌や前がん病変(異型上皮)の可能性が高く、HPVの結果にかかわらず、精密検査が必要です。コルポスコピーや組織診の検査を受けましょう。
まとめ
HPVは性行為で感染します。HPV検査で陽性であっても、すぐにがんになるわけではありません。 女性の80%以上が、一生に一度は感染する、よくあるウィルスです。一度感染しても、90%以上は自然に消えて(自然消退して)問題を起こしませんが、長期にわたり子宮の頸部に居続けたり、自然消退しても再感染を繰り返すことにより、がん化します。定期的に子宮頸がん検診をおこなって下さい。
検診で異常を指摘された場合、または、気になる症状がある場合は、怖がらずに早期に婦人科を受診しましょう。

