
看護師きくとまです。新型コロナウイルスの感染拡大によって、テレワークの導入が進み、働き方に変化が生じてきました。椅子に座る時間が以前より長くなったことで、お尻のトラブルに悩む話をよく聞くようになりました。それは、「温水洗浄便座症候群」。お尻を温水洗浄しすぎることにより、肛門周辺の皮膚にトラブルが生じることをいいます。
今回は日常的に使用していると思われる温水洗浄(ウォシュレット)について、お尻を洗いすぎるとどうなるのか、また温水洗浄便座の正しい使い方についてお伝えしていきます。
お尻まわりは皮脂膜で守られている

トイレに行けば必ず温水洗浄便座の洗浄機能を使う。お風呂でボディソープ等をつけてしっかりこすり洗いをするなど、お尻を洗いすぎることにより「皮脂膜」がなくなってしまいます。皮脂膜とは、皮膚の表面を潤している天然の油分であり、とても重要な皮膚のバリア機能を担っています。皮脂膜は外部から有害な物質が侵入するのを防ぐだけでなく、弱酸性のためバイ菌の増殖を防ぎ、皮脂膜の中にいる常在菌が肌を守ります。また、皮脂膜のおかげで、皮膚内部の水分が蒸発せずにすんでいます。肌を守り、水分の蒸発を防ぐ皮脂膜は、洗いすぎると簡単になくなってしまいます。そのため、洗いすぎたお尻は皮膚防御機能が弱くなり、さまざまなトラブルを引き起こしてしまうのです。
ウオシュレットで洗いすぎるとどうなるの?

温水洗浄をし過ぎると、本来必要な肛門周囲の皮膚の皮脂まで、過剰に洗い流してしまいます。これにより皮膚のバリア機能が弱くなり、かぶれやかゆみ、湿疹、ひび割れ、痛みなどの症状が起こることもあります。正式な病名ではありませんが、「温水洗浄便座症候群(ウォシュレット症候群)」という呼ばれ方もされています。
温水洗浄便座の正しい使い方
洗浄を上手く使えば、ほとんどの便は3~5秒で洗い流せるとのこと。なるべく過剰な使用は控えるようにした方が良いでしょう。
まとめ
温水洗浄便座は、あくまで肛門に付着した便を洗い流すためのものです。それ以外の目的(排便刺激のための使用、腸内洗浄のための使用、膣洗浄のためのビデ使用)で使用することは避けた方が良いでしょう。
肛門を清潔にしておくことは、衛生面でも気持ち的な快適さの部分でも良いことです。しかし、「無菌にしたい」「完全に便の成分を洗い流したい」「肛門の臭いを完全に消したい」など行き過ぎた清潔観念は、腸内細菌のバランスを変えてしまうことになり、さらに肛門周辺の皮膚に炎症を起こして、肛門のかゆみなどのトラブルにつながってしまいます。
適切な使用方法で、あくまでもさっと肛門を洗い、トイレットペーパーで水分を拭き取る程度にしましょう。

