母乳バンク知っていますか?小さく産まれた赤ちゃんの命を守ります

婦人科看護師きくとまです。今回は、まだ、日本では活動支援が不足している「母乳バンク」についてお伝えしたいと思います。

日本ではドナーミルクを必要とする超早産・極低出生体重児が年間約5000人誕生しています。ドナーミルクとは、母乳を必要とする赤ちゃんに母乳バンクから提供される人乳のことを言います。欧米では常識として広く普及している「母乳バンク」。母乳バンクは、母乳がたくさん出るお母さんから母乳を「寄付」していただき、母乳を必要とする赤ちゃんに提供する仕組みです。いったいなぜ、母乳バンクが必要なのでしょうか?今回は母乳バンクについてお伝えしたいと思います。

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なぜ小さく生まれた赤ちゃんに粉ミルクではなく母乳が必要なの?

早産などにより1500g未満で生まれる赤ちゃんは「極低出生体重児」と呼ばれ、腸などが未熟で、粉ミルクはうまく消化できません。そのため、感染症や腸の一部が“壊死”してしまう病気にかかるリスクが高いとされています。母乳には、人工ミルクに比べ、その発症リスクをおよそ3分の1に低下させられるという研究結果があります。

ドナーミルクが必要な赤ちゃんは?

超早産・極低出生体重児へ、母乳をあげられない、母乳が出ない、母親が亡くなった、抗がん剤治療中だったりする場合など、このような赤ちゃんには、人工乳による壊死性腸炎のリスク、難治性下痢症やミルクアレルギー、超低体重による早期の経腸栄養開始の必要性等により、ドナーミルクを与えることが望ましいとされています。母乳」は新生児医療においては単なる栄養ではなく、疾病予防にもつながる「薬」としての役割もあります。

母乳バンクの仕組みは?

母乳は赤ちゃん、特に新生児にとっては「完全食品」です。 WHO(世界保健機構)やユニセフでは、先進国、発展途上国を問わず、その活用を強く推奨しています。しかし、全てのお母さんが出産直後から充分な母乳が出るわけではありません。特に、早産で出産となった場合には、必要量の母乳をお母さんがあげられない場合もあります。「母乳バンク」は、自分の子どもが必要とする以上に母乳がたくさん出るお母さんから、余った母乳を「寄付」していただき、その「ドナーミルク」を適切に検査、保管・管理を行い、母乳を必要とする新生児に「ドナーミルク」として適切に提供する仕組みです。

母乳を寄付するドナーになるための条件

母乳を寄付するドナーになるためには、自分の子供に与える分より多く母乳が出ていること、輸血や臓器移植を受けていないことなどが条件です。産後の1ヶ月検診を受けた後、日本財団母乳バンクか日本母乳バンク協会のホームページから申し込みます。指定医療機関で血液検査などを受け、問題がなければドナー登録されます。

日本母乳バンク協会
日本母乳バンク協会は、日本の新生児医療において「母乳」の活用を促進することを主な目的として2017年5月に設立された、一般社団法人です。
この記事を書いた人
きくとま

婦人科看護師。受胎調節実地指導員、ピンクリボンアドバイザー取得。
思春期からおばあちゃんまで、全ての女性を診るのが婦人科です。女性ならではの心配事、病気について、心配なことがあったらいつでもご相談下さい

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