
東京2020オリンピックでは、LGBTQであることを公表して出場する選手の数が181名と過去最多となりました(8月4日時点で)。
同大会では、自身の性自認や性的指向を公表したLGBTQアスリートの数が、オリンピック史上最多になることがわかりました。
また今大会史上初めて、トランジェスターの選手が男性出場から女性への性別変更を公表し女性として競技に出場しました。
LGBTQを公表するアスリートによるメダル獲得も続いております。とても良い流れとなっていますが、今大会では、どうしてこのようなことになってきたのでしょうか。
LGBTQを公表した選手たち

まずは、ボクシング女子フェザー級で日本人選手と決勝で戦い、金メダルを獲得したフィリピン代表のネスティー・ペテシオ選手。試合後の記者会見で、「私はLGBTQコミュニティの一員であることを誇りに思う」と話しました。
また、柔道女子52キロ級の決勝で、やはり日本人選手と金メダルを争ったフランス代表のアマンディーヌ・ブシャール選手も同性のパートナーがいることを公表しています。
さらに応援席で編み物をする姿が世界的に話題となった、男子シンクロ高飛び込みで金メダルを獲得したイギリス代表のトーマス・デーリー選手は、2013年に同性愛者であることを公表、現在は結婚し、夫とともに3歳の息子を育てています。
試合後の記者会見では、「若いLGBTQの人達で、今どんなに孤独を感じたとしていても、あなたは1人ではなく、何でも達成することができます。あなたをサポートしてくれる家族がいます。私は同性愛者であり、オリンピックチャンピオンであることを誇りに持っています」と、世界にメッセージを発信しました。
LGBTQを公表しやすくなった要因は?

LGBTQを公表する選手は、5年前のリオオリンピックと比べて3倍以上と急速に増えています。
その背景として、社会やスポーツの中で性的マイノリティーに対する理解が広がったこと、そして、Instagramなどのソーシャルメディアの普及により、当事者たちがフォロワーに向けて、自身の生活などをよりオープンに表現することが可能になったことが一つの要因だと分析されております。
日本はまだまだ追い付いていない

しかし、日本については例外です。これまでのところ、ホスト国である日本は、カミングアウトしたLGBTQ選手は1人もいません。
日本では同性婚が認められておらず、同性カップルは異性カップルと同等の権利が受けられていません。それでも、随分と職場や公的な場所での差別が減少してきていると感じます。
また、日本は、LGBTQの人権に関して他の先進国に大きく遅れをとっています。日本では、トランスジェンダーが自ら望む性を法的に認めてもらうには、現在、外科出術を受けるしか方法がないのが現状です。戸籍を変えるために、外科的手術をおこなった方をたくさん見てきました。
コロナ感染症が流行する前は、タイ国へ渡り、大きな手術を行い帰国。とある病院では、日帰りで子宮と卵巣を膣から摘出するという、なんと過酷で身体に負担のかかる手術でしょうか。身体にメスをいれ、それでも自分の求めている戸籍になることを望むその姿。外科的手術を行なわなくて、望む性が法的に認められるような国になってほしいと心から願います。

