
献血は色々な患者様を助けることに役立っています。
さて、新型コロナウイルス感染拡大にともなう休校や遠隔授業により、高校や大学、または企業での従来のような集団献血が相次いで中止となっているようです。
高校や大学等、教育施設での集団献血実施件数は、2019年同時期(4月~7月)に比べ、10分の1(600会場から60会場)と減少しています。
今回は献血ルームからのB型肝炎ワクチン追加摂取のご協力のお願いがあり、そのことについてお話したいと思います。
B型肝炎ってそもそもなに?

B型肝炎とは、何らかの原因により肝臓に炎症が生じる疾患です。炎症により肝臓の細胞が破壊され、肝臓の機能が次第に低下していきます。肝炎の原因として最も多いものは、ウイルスの感染によって肝臓に炎症が起こる「ウイルス性肝炎」です。肝炎の原因となるウイルスは、主にA・B・C・E型の4種類が知られています。D型ウイルスによる感染は、日本ではめったに起こることはありません。E型肝炎については、最近のジビエブーム(イノシシ肉やシカ肉を生で食べること)により感染者が少しずつ増えてきています。
特に慢性化しやすいとされているのはB型ウイルスとC型ウイルスによる肝炎です。
肝炎は治療せずに放置すると、肝硬変や肝がんなどのさらに重い疾患に進展していく場合があるため、早期発見、早期治療が非常に大切です。
肝炎はどうやって感染するの?

A型肝炎ウイルスの感染経路は、経口感染と性行為による感染です。便から排出されたウイルスが、不潔な手や水、野菜や果物などの食品を介して口に入り感染します。安静を保って自然治癒を待つことが治療となります。E型肝炎についても、最近のジビエブームにより感染者が少しずつ増えてきていますが安静のみで自然寛解・治癒することが多く特殊な治療は必要としません。
B型肝炎については注射針、B型肝炎ウイルス陽性の血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こした場合、B型肝炎ウイルスが含まれている血液の輸血、臓器移植等を行った場合、B型肝炎ウイルスに感染している人と性行為をもった場合、B型肝炎ウイルスに感染している母親から産まれた子に対して、適切な母子感染予防方法をおこなっていなかった場合などで感染することがわかっています。
C型肝炎ウイルスも血液を介して感染します。感染している人の血液が他の人の血液の中に入ることで感染しますが、空気感染や経口感染はありません。B型肝炎、C型肝炎については、生涯にわたって感染が持続する場合があるため(持続感染)治療が大切なのです。
抗体で予防ができるの?

B型肝炎に対してはワクチンがあります。急性肝炎に対する特別な治療はありません。安静にし、食欲低下に対しては水分・栄養補給のために点滴などを行います。慢性肝炎に対する治療は、インターフェロンや核酸アナログ製剤などがあります。年齢や肝臓の障害の程度によって、どの治療を行うかが異なります。
一方、C型肝炎に対するワクチンはありません。急性肝炎に対する特別な治療はなく、B型急性肝炎と同様、安静などの対症療法を行います。慢性肝炎に対する治療は、以前はインターフェロン治療が用いられていましたが、近年では抗ウイルス薬によるインターフェロンフリー治療が主流となっています。
少し前は治らないと言われていた肝炎。今は治療の幅が広がってきています。心当たりのあることや、気になることがあれば、早めに病院を受診して、対策をして下さいね。

