
性生活を行い、子どもを望むのに1年以上妊娠しない「不妊症」とは違い、妊娠はするけど流産や死産を2回以上繰り返すことを「不育症」と言います。不育症の定義として、2回流産を繰り返した場合には産婦人科や大きな病院にて早めの検査を開始することを提唱しています。もしかしたら、私、不育症かも?と悩んでいる方、受診しようか迷っている方にお伝えしていきたい思います。
不育症とは

妊娠はするけど、流産や死産を2回以上繰り返すことを言います。妊娠経験がある女性で、流産を1回以上経験した人は約38%、2回目上は4.2%、3回目以上は0.88%とのこと。一人目を出産した後に不育症になる人もいます。なお、妊娠反応のみが陽性で子宮の中に赤ちゃんの袋がみえる前に流産してしまう生化学妊娠は、現在は不育症の流産回数には含めていません。
不育症の原因は?
夫婦の検査を行っても、流早産、死産の原因が判明しないご夫婦が60~70%存在します。ただ、流産した際に、胎盤の組織を調べれば、その多くの胎児の染色体異常によるものだとわかります。胎児の染色体異常は、人間のような複雑な生物が誕生する過程で、偶発的に起こりうることです。
不育症かどうかの検査は

夫婦の検査で判明する原因としては、「子宮の形態異常」、「内分泌学的異常」(甲状腺機能異常、糖代謝異常、プロラクチン分泌異常)、「夫婦の染色体異常」、「免疫学的異常」(高リン脂質抗体症候群、同種免疫異常)などです。
当院の病院を受診された患者様は、一人目を妊娠して21週目頃に子宮の異常がわかり、死産となりました。このことで、子宮鏡で双角子宮の手術を行いました。これらの原因が見つかっても、必ず流産するわけではありません。
検査はどのようなタイミングで受けるべき
流産を繰り返したり、死産をした場合は検査を受けることを考えてみた方がよいと思います。年齢的なものも考えて、30歳を超え、繰り返す場合は、その後の妊娠のことも考えて早めに検査をした方がよいでしょう。
不育症の検査の内容は?

まずは、採血にて 先天性血栓形成素因(血液凝固機能異常)、抗リン脂質抗体、内分泌検査、夫婦染色体検査などの検査をおこないます。また、子宮の形態について調べるには、子宮卵管造影検査、超音波(エコー)検査、子宮鏡検査、MRI検査などがあります。何度も流産した場合は、流産した赤ちゃんの絨毛という部分(妊娠早期の胎盤の一部)の組織を採取し、染色体異常の有無を調べます。
赤ちゃん側の染色体異常であれば、今回の流産は偶発的に起こったものであると診断でき、次の妊娠・出産への期待が持てます。
治療したら、妊娠できるの?

夫婦側に原因が見つかった場合は、治療すれば8割以上が出産できるとのこと。原因が見つからなかった場合であっても、今までに流産2回の方で80%、3回で70%、4回で60%が次回妊娠を無事に継続できる、というデータが示されてます。不育症は医療機関によって認識や対応に差があります。だからこそ自分で積極的に情報収集し、自分が納得できる検査や治療内容を選択することも大切です。元気な赤ちゃんを妊娠し、出産することを願います。

