ピルは初経がきていれば小・中学生も服用することが出来る

小・中・高校生にピルは飲んだらダメと考えているママ、それは間違いです。思春期は女性ホルモンのバランスが完成していないので、生理不順をはじめとして、生理が止まらない、生理痛が強いなどがあるかと思います。生理痛には痛み止めなどがありますが、市販薬より効果が期待できるお薬があります。それはピルです。ここ10年で治療用の女性ホルモン剤であるピル(LEPといいます)が急速に普及し、小・中学生の方でも安全に服用でき、生理の辛さが改善した方も多数いらっしゃいます。

日本ではピルに対して知識を持っている方が未だに少ないのが現状です。安全性はわかっているため、初経を迎えていればピルの服用は可能です。ピルでなければ改善しない、長く続く生理、生理の量が多い過多月経、生理痛、月経困難症、生理のせいで貧血になっている場合などに有効です。今回はピルの安全性、効果などについてお伝えします。

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ピルでライフスタイルが変わる

ピルはリスクのない人が上手に使えば、生理にまつわる不快な症状のほとんどを改善でき、生理に振り回されず、自分のライフスタイルに合わせて生理をコントロールできる女性にとって「生活改善薬」です。小・中学生の娘さんがいらっしゃるご家族の方、リスクの有無に関する判断は慎重に行う必要がありますが、多くの場合、副作用などのデメリットよりも、効果・メリットの方が上回ります。でも、生理をコントロールする方法としてピルにこだわる必要もありません。まずはどのような選択肢があるのか医師に相談するなどして、毎日をより快適に過ごす方法を考えてあげるのがよいと思います。

小・中・高校生、月経痛は我慢しない

生理中の腹痛や腰痛は誰しも経験することですが、それが学業や部活、日常生活に影響がでるくらい強い時はぜひ、婦人科、産婦人科の診察を受けてください。原因としては、はっきりしないものが多いかも知れませんが、子宮内膜症、子宮筋腫など病気が隠れていることもあります。原因に応じて治療方針を決められますが、一般的には、ピル、漢方薬、鎮痛剤などを使用することが多いようです。

ピルの特徴(LEP)

ピルの特徴、メリット、デメリットをお伝えします。

ピル(LEP)のメリット
  • 生理痛が軽くなる
  • 生理の時の経血量が少なくなって、貧血が改善する
  • 月経前症候群(PMS)の改善
  • 肌荒れ、ニキビの予防
  • 多毛の改善
  • 長期に内服すると子宮がん、卵巣がんのリスク、腫瘍のリスクが低くなる
  • 生理の日程が予測でき、生理の移動も可能(修学旅行、部活、試合などに重ならないように出来る)
  • 避妊効果も高い
ピルを内服した時の副作用
  • 吐き気(1~2ヶ月内服を続けるうちにおさまります)
  • むくみ・乳房の張り
  • 頭痛・腹痛
  • 血栓症(血栓傾向のある方は内服できません)
  • 不正出血
  • 気分の落ち込み・抑うつ症状・眠気

現在用いられているピルは、ホルモン量がごく少量になっており(低用量ピル)、副作用は抑えられ、太ったりすることもほとんどありません。吐き気、胸の張り、頭痛などの副作用(マイナートラブル)は起きることもありますが、服用開始から3ケ月以内に大部分はおさまります。まずは、3ケ月間継続してみましょう。お薬が合わない場合は他のピルを服用してみることをおすすめします。
また、ピルを服用することにより、生理不順、生理痛、過多月経を治す効果があり、さらにはニキビなどの肌トラブルにも効果が期待でき、避妊の効果もあります。そのような目的で、中学生、高校生のうちからピルを服用されている方も少なくありません。

なぜピルを飲むと生理痛が軽くなるの?

低用量ピル、超低容量ピルは、ごく少量の女性ホルモン配合薬です。少量のホルモンを付加すると、脳が『もうホルモンを分泌しなくていいんだ』と思うので排卵が止まります。これまでのピル(OC)に比べて副作用が少なく、規則正しく生理がくるため、学校生活(テスト、受験、部活など)、旅行、プール、その時の状況に合わせ生理が重ならないように『生理の移動』にも使用でき生活が安定します。

ピルを内服すると身長が止まる?

小学生でピルを始めると身長が止まるのでは?(骨端線閉鎖)と心配される方がいますが、初経が来ていれば問題ありません。
ピルは初経が来ていれば、何歳からでも服用可能です。中止しなければならない副作用である血栓症は若年者には少ないですが、そのような副作用があることは知っていてください。

月経前症候群(PMS)にも効果あり

排卵後から生理直前までの期間に心身の不調が強く現れ、そのために日常生活や学業、部活などに支障をきたす状態です。症状は、むくみ、めまい、下腹痛・腰痛、頭痛などの身体症状に加えて、イライラする、怒りっぽくなる、気分が沈む、などの精神症状まで様々です。ホルモン分泌を安定させる目的でもピルを服用することが有効であることがわかっています。

生理前のつらい症状、月経前症候群(PMS)ではないですか?
「月経前症候群」。月経前=生理前の3~10日の間に続く精神的、身体的な症状で、生理が始まるとともに症状が治まったり、なくなったりするものを指します。「なんだか調子が悪いな」と思っていたら生理がきて「いつもの症状だったのか」と後から気がつく人...

まとめ

ピルは、月経前症候群、生理痛の緩和、生理の出血量が多い、生理以外の出血がある、生理の間隔が長いなどの治療にも有効です。子宮内膜症や子宮筋腫があったり、鎮痛剤が十分な効果を示さない月経困難症と診断された場合は、健康保険適応となります。治療用ピル(LEP)には超低用量のものが多く、当院での婦人科では、特に中学生・高校生などの若い方には「ジェミーナ」「フリウェル」「ヤーズフレックス」などがよく処方されています。その他、「ルナベル」「ヤーズ」といったピルもあります。

生理痛に悩んでいる小・中・高校生がいらっしゃるご家族の方は、娘さんを連れて病院を受診することをおすすめします。

この記事を書いた人
きくとま

婦人科看護師。受胎調節実地指導員、ピンクリボンアドバイザー取得。
思春期からおばあちゃんまで、全ての女性を診るのが婦人科です。女性ならではの心配事、病気について、心配なことがあったらいつでもご相談下さい

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