
「月経前症候群」。月経前=生理前の3~10日の間に続く精神的、身体的な症状で、生理が始まるとともに症状が治まったり、なくなったりするものを指します。「なんだか調子が悪いな」と思っていたら生理がきて「いつもの症状だったのか」と後から気がつく人も多いようです。あなたの症状も「気のせい」ではなく、PMSかもしれません。
PMSかどうかは、症状が出るのが生理前に限られているか、毎月繰り返し症状が出るか、日常生活に支障があるか、といったことがポイントになります。3か月以上症状に悩まされているなら、PMSの可能性が高いと考えられます。今回はPMSについて症状や治療についてお伝えしていきます。
月経前症候群(PMS)の症状とは?

PMSにはこころの不調とからだの不調があり、次のような症状が挙げられます。
月経前症候群(PMS)の診断は
PMSを診断するにあたって、まずは詳しい問診を行なうことが最も重要です。PMSはホルモン状態や生活変化で症状が強くなったりすることがあるため、問診によって、症状や発症時期、月経周期、妊娠・出産歴、生活環境などさまざまな項目を確認していきます。
さらに、超音波にて子宮や卵巣の確認、子宮頸がんの検査、血液検査などを行います。基本的に排卵後から生理前に起こり、生理開始後に軽くなる、もしくは消失していくことから、まずは生理周期との関連性をチェックします。2か月にわたって同じような症状が表れ、さらにうつ病や月経前不快気分障害、甲状腺疾患や肝機能障害、糖尿病などを患っていないことが確認されると、月経前症候群と診断されます。
治療法はあるの?

PMSには、「何らかの検査値が正常範囲を超えたていたら要治療」といった明確な診断基準がないため、婦人科などでは、まずカウンセリングや生活指導、運動療法などが行われます。有酸素運動を中心とした定期的な適度な運動、禁煙、アルコール摂取制限、規則正しい睡眠や生活、ストレスの解消などが有効とされています。
これらの対策によっても症状が改善しない場合には、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が配合された低用量経口避妊薬(ピル)が使用されることがありますが、効果は人によって異なります。
また多様な症状に対しては漢方薬が使われることがあります。腹痛、頭痛がある場合は鎮痛薬を用いることが多いようですが、漢方で、お腹の張りには桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、便秘には桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、頭痛には川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)という漢方薬が使われることもあります。
むくみがひどい場合は、利尿薬で体内に水分が溜まらないように、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を使われることもあります。気分の落ち込みがひどい「うつ」の状態になっていれば、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という薬もありますが、精神症状が強い場合は精神科または心療内科の受診がすすめられます。また、これらの精神症状にも、加味逍遥散(かみしょうようさん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)といった漢方薬使が使われることもあります。
まとめ

生理前の不快な症状を我慢する必要はありません。人によってさまざまな症状が出るのもPMSの特徴です。自分の年齢や性格を理解し、お薬などを使って上手に付き合っていくことが大切です。PMSのことを正しく理解し、適切なケアに結びつけていきましょう。人によっては、病気がひそんでいることもありますので、不調はそのままにしておかないで、早めの病院受診をおすすめします。

